柏レイソルが優勝するための攻撃戦術
柏レイソルに優勝してもらいたい。
そんなことを思いながら
2011年以降優勝から遠ざかっている柏レイソルを見守っている。
2021シーズンは、2011年の優勝から10年目のシーズン。
今回は、2021シーズンに柏レイソルが優勝するための攻撃戦術を勝手にまとめた。
この記事は、2020シーズンの全ゴールシーンを振り返り、なぜ得点ができたのかを徹底的に研究をした上で記載している。
このブログを読み終えたあなたは、「柏レイソルを勝たせる方法を知った上で熱烈な応援をする真のサポーター」に近づいているはずだ。
1:優勝に導く攻撃の3つの方針
残念なことに、オルンガの退団により、2021シーズンは(超強い選手が移籍で加入しない限り)個の力が確実に低下する。
攻撃陣の個の力が下がるのに、どうしたら優勝を手繰り寄せる攻撃ができるのか?
答えはシンプルだ。
シーズンを通じてやってきた戦術を全チームに通用する最高レベルに磨き上げるのだ。
1章では、2021年にレイソルがとるべき攻撃の3つの方針をまとめた。
1−1:攻撃の3つの方針
攻撃の3つの方針は以下だ。
- 3人以下でゴールを奪う
- カウンター&サイドチェンジでスペースを生み出す
- セットプレーは2+1パターン
それぞれ説明する。
方針1:3人以下でゴールを奪う
まずは、「3人以下でゴールを奪う」という基本方針だ。
2020シーズンのほとんどのゴールは、オルンガ、江坂、クリスティアーノの3人の絡みで得点を奪ってきた。
実は、2020シーズン、レイソルは、1位〜6位の全チームからこの基本方針をもとに得点を奪うことができている。
幸いにしてこの3人のうち2人は、2021シーズンもチームに残っている。
この方針と達成方法を全チームに通用するレベルに磨き上げる。
オルンガの個の力で得点したシーンも確かにあったが、それは元々の戦術基盤の上に成り立っている事実だ。
江坂、クリスティアーノ、+誰か。
「3人以下でゴールを奪う」というこの方針と実行法の質を究極まで高めれば、出場するメンバー分の攻撃パターンを作ることが出来る。
方針2:カウンター&サイドチェンジでスペースを生み出す。
次に、「カウンター&サイドチェンジでスペースを生み出す」という方針だ。
「カウンター」「サイドチェンジ」は、3人以下でゴールを奪う際の最良の方法だ。
例えば、カウンター戦術はこちらを見てほしい。
かつてのレアル・マドリードの超速カウンター10ゴールが紹介されいてるが、ほとんどのゴールがボール奪取から「3人以内のパス交換」でゴールを奪っている。
カウンターは、2,3人で得点を奪うための特化戦術だ。採用しない手はない。
そして、サイドチェンジついてはこちらを見てほしい。
動画は、ディフェンスラインでパスを回していたジュビロ磐田が、動画終盤のたった数秒でゴールに迫るシーンだ。
中村俊輔(41番)からのサイドチェンジのパスを受けた選手の次のプレーは、「ゴール前へのクロス」だ。
ボールは結局ロストしてしまうが、
・サイドチェンジのパスを出す選手
・クロス・ラストパスをする選手
・シュートをする選手
ゴールを奪うには3人しか必要とせず、かつ数秒でゴール前に迫ることができる。
「カウンター」「サイドチェンジ」は、3人以下でゴールを奪うための最も優れた方法なのだ。
方針3:セットプレーは2+1パターン
そして3つ目は、セットプレーは2+1パターンという方針だ。
ちなみに、2+1パターンというのは、「ゴールを奪いに行く究極の2パターン」と「2パターンを悟られないためダミーとなる1パターン」のことだ。
具体的に理解いただくために、前提に触れておきたい。
レイソルのセットプレーは、相手チームにとって「怖くない」。というのも、レイソルには、「Jリーグ屈指のヘディングの強さ」「Jリーグ屈指のキック技術」を持つ選手が存在しないからだ。
だからと言って、セットプレー戦術を緻密化させても、短期的に1点、2点は取れるかもしれないが、シーズンを通してパターンを読まれたら全く点が取れなくなってしまう。
それは相手にとって何も怖くない。
ここからが2+1パターンの本質だが、
セットプレーのディフェンス時に最も怖いのは、「どこの誰にどのようなボールを蹴ってくるかが予測できない」ことだ。
だから、「相手が何をしてくるか常に読みが外れるようにする」ために、ゴールを奪う練習を徹底的に行う2パターンと、ダミーの1パターンを準備するのだ。
2+1の3パターンで相手に的を絞らせないこと。
「今回はどのパターンでくるのか」相手の精神をすり減らすことがセットプレーの方針となる。
1章では、攻撃戦術の方針を伝えてきた。
2章では、実際にこの方針をもとにした具体的なゴール奪取方法を伝える。
2:具体的なゴール奪取方法
2章では、1章であげてきた方針に基づいた具体的なゴール奪取方法を伝えていく。
2-1:3人以下でゴールを奪える状況を作り出す
3人以下でゴールを奪うには、以下5つの条件を満たした状況を作り出す必要がある。
- 相手ディフェンダーが相手キーパー含め5名未満
- 相手ディフェンダーは全員がそれぞれと5m以上離れている
- 相手キーパーと最も近い相手ディフェンダーが10m以上離れている
- 相手ディフェンスが2ラインになっている
- 自チームは前を向いてボールを保持している
なぜこのような状況を作り出すのかというと、ゴールを奪うラストプレーのための広大なスペースが生まれるためだ。
例えば、以下のような状況だ。全て先ほど紹介した動画から抜粋している。
5つの条件が揃うことにより広大なスペースが生まれている。
このシーンもそう。
左右に広大なスペースが存在している。
このパターンもそうだ。
左右に広大なスペースが生まれている。
続いてこのパターン
これだと前方にも広大なスペースが存在し、直接シュートもできる。
最後に、こちら。
あろうことか逆(左)サイドの広大なスペースにディフェンダーは誰も気付いてない。
先に述べた状況を作り出すことができれば、3人以内でゴールを奪うことが出来る。
どうやってこの状況を作り出せば良いのか?それは3章で解説する。
2-2:スペースの使い方を3パターンから「選ぶ」
次に、スペースの使い方を以下の3パターンから選択すれば、3人以内でゴールを奪うことが出来る。
スペースの使い方3パターン
- 1対1で勝利し、シュートを決める
- スペースにラストパスを出しダイレクトシュートを決める
- ゴール前にクロスを上げシュートを決める
以下の動画をもう一度見て欲しい。
今度は、「生まれたスペースをどのように使ったか」に注目して見てもらいたい。
上記の3パターン以外にはないはずだ。
相手ディフェンダーは、3つ以外の選択肢も頭の中に想定してディフェンスをする。
不利な状況に陥いった上に考えながらプレーしている相手に対して、やることがはっきりしている攻撃陣のスピードには絶対について来れないはずだ。
続いて3章で、ゴールを奪う状況を作り出すための方法を解説する。
3:ゴールを奪える状況を生み出すのは「超高速ビルドアップ」
ゴールを奪える状況を作り出すために実践する方法は「超高速ビルドアップ」だ。
ちなみにここでの「ビルドアップ」の定義は以下だ。
「構築する」という意味で、サッカーの場合は、「攻撃を組み立てる」ことを指す。ゴールキーパーから、もしくはディフェンダーから、中盤、前線へとパスやドリブルで攻め上がっていく一連の動き、プロセスを「ビルドアップ」と呼ぶ。中盤や前線でボールを奪って敵ゴールまで距離が短い場合は、攻撃の構築であっても「ビルドアップする」とは呼ばない。あくまで、自陣深くから敵ゴールまである程度の距離がある場合に攻撃を組み立てていく時に使う言葉。
具体的に解説する。
3-1 超高速ビルドアップの手順
まず、超高速ビルドアップの手順を紹介する。
- 下図のゾーンでボールを奪取する。
- 前を向いている選手へのパスを通す(絶対に自陣方向を向いている選手にパスを出さない)
- ボールを持っていない選手はスペースに全速力で飛び込む
- ダッシュしている選手が目指している広大なスペースにパスを出す(絶対にダッシュしている選手目掛けてパスを出さない)
- 合計2本以内のパスで、前線までボールを運ぶ
- ゴールを奪う状況になる
3-2 超高速ビルドアップを成功させる2つの方法
超速ビルドアップを成功させるには、2つの方法がある。
- スペースに全速力でダッシュする
- 常に逆サイドを把握しておく
具体的に説明する。
1:スペースに全速力でダッシュする
ボールを奪った直後から、前方に広がる広大なスペース目掛けて全速力でダッシュしなければ、超高速ビルドアップは実現しない。
全速力でダッシュしなければ相手ディフェンダーを自陣に置き去りにすることができないからだ。
というのも、全速力でダッシュしなければ、相手ディフェンダーに追いつかれてまう。そうすると前線にボールを運べても、「ゴールが奪える状況」にはならない。
ボールを奪った直後は、とにもかくにも全速力で広大なスペースにダッシュする。
2:常に逆サイドを把握しておく
常に逆サイドを把握しておくことで、超高速ビルドアップを成功させることが出来る。
なぜなら、逆サイドを把握することで広大なスペースを付くプレーを容易に予測できるからだ。
例えば、逆サイドに広大なスペースが広がっている場合。そのままその広大なスペースにパスを出せば良い。
一方で、逆サイドに広大なスペースが広がっていない場合。その場合は同じサイドの直線方向、もしくは中央に広大なスペースが広がっているはずだ。
逆サイドを把握しようとすると、自然と中央のスペースも目に入る。
特にサイドに位置する選手が常にサイドのスペースを把握し、ボールを奪った瞬間大声で叫びながら全速力のダッシュでスペースに飛び込むアクション、もしくはコーチングで味方を促し超高速ビルドアップがより完成しやすくなるだろう。
4章では、今まで述べてきた攻撃戦術の「マネジメント方法」を解説する。
4:攻撃戦術のマネジメント方法
攻撃戦術が決まったところで、最後にこの戦術をどのように管理すれば良いのかを解説する。
4-1:超高速ビルドアップの発生目標を設定する。
まずは、その試合で超高速ビルドアップを何回発生させるか、目標を設定する。
攻撃陣は、ベンチメンバー含め90分間でその回数を絶対に達成することを攻撃陣のチーム目標として設定する。
当然、達成できなければ簡単だけど精神的にキツいペナルティを設定するのが良い。
達成できたら小さなご褒美を設定するのも良い。
重要なのは、超高速ビルドアップの発生回数目標を設定し達成することだ。
4-2:プレシーズンマッチで導き出したゴール率を試合直前に確認する
客観的な情報として、超高速ビルドアップのゴール率を試合直前に共有する。
攻撃陣に攻撃の質を意識させれば、1発目でゴールを奪えなくても、2発目以降のインテンシティが必ず高まるからだ。
「あと何本発生させれば決められる」という攻撃陣1人1人の意識は、アドレナリンを発生させるはずだ。
4-3:相手のスピードを上回る全速力が出せなくなったらすぐ交代
攻撃陣のスピードが相手ディフェンダーよりも遅くなった時点ですぐに選手交代をする。
超高速ビルドアップは、レイソルが3人以内でゴールを奪うための唯一無二の手段だ。
相手のスピードを上回れない時点ですぐに上回るスピードの選手を投入しなければ超高速ビルドアップの成功可能性は著しく下がる。
例えば、今冬の高校選手権決勝線に出場した山梨学院の広澤選手、青森山田の仙石選手のような特徴を持った選手を投入するのが良い。
レイソルの攻撃戦術のマネジメントは、「チーム全体のスピード」を管理すると言っても過言でもない。
5:まとめ
この記事では、2021年レイソルが優勝するために必要な攻撃戦術をまとめて解説してきた。
ここで述べている攻撃戦術を磨きに磨き、世界レベルまで高めることにより、優勝するチャンスが生まれるはずだ。
細かくは述べなかったが、Jリーグに多い3バックに有効でありかつポゼッションスタイルで優勝した川崎フロンターレからも得点を奪える戦術だ。
いちレイソルファンとして、2021シーズンも柏レイソルを応援していきたい。
優勝するための守備戦術は、後日改めてアップする。
執筆者のプロフィール:
1988年生まれ。サッカー歴9年。ごく普通のサッカー好き。サッカーの試合を年間100試合以上、ヨーロッパチャンピオンズリーグ、リーガエスパニョーラ、柏レイソル、高校選手権の試合を中心に映像観戦。趣味は新しい戦術をFIFA21で試験的に実施すること。【好きなチーム】ベタだけどまわりまわってレアルマドリー【好きな漫画】:ANGEL VOICE、シュート!、ファンタジスタ、ロストマン、ジャイアントキリングなどサッカー漫画。